社員インタビュー経営陣・社員紹介
取締役会長
岡本 浩一郎
野村総合研究所、 ボストン コンサルティング グループを経て、経営コンサルティング会社を起業。
2008年より15年間、弥生株式会社の代表取締役社長を務める。
2024年よりOlloに参画。
「弥生」を15年率いた経営者が、なぜAIスタートアップへ 岡本浩一郎氏がプロダクトに賭けるグローバルな未来
スタートアップの会長の役割とは。その問いに、岡本浩一郎氏は「創業者の想いを実現するために必要なものはなんでもやる」と答えます。
野村総合研究所のエンジニアから、ボストン コンサルティング グループ(BCG)のコンサルタント、経営コンサルタントとしての起業、そして15年にわたり「弥生株式会社」の代表取締役社長として同社を牽引してきた岡本氏。大企業の経営や事業再生、クラウド化の最前線を歩んできた経営者が、2024年1月、製造業特化のAIスタートアップOllo(オロ)の取締役会長に就任しました。
登山に例えればまだ「2合目」と語るフェーズの企業に、なぜ参画を決めたのか。そして、次のステージへと飛躍しようとしているOlloが、どんなことにフォーカスしているのか。
プロの目から見たOlloのリアルな現在地と、今飛び込むべき「Olloという打席の魅力」について、じっくりとお話を伺いました。
30年ぶりの猛勉強。AIの可能性と「グローバルで戦えるプロダクト」との出会い
── まずはじめに、数々の企業で実績を重ねてこられた岡本さんが、なぜ今、スタートアップであるOlloの会長職を引き受けられたのか。その経緯から教えていただけますでしょうか。
弥生の社長を2023年3月に退任して、少しばかり「小休止」の期間に入ったんです。ただ、じっと休んでいるタイプでもなく。時代を大きく変えつつあるAIの構造を基礎から理解しようと、AI関連の資格である「G検定」や、よりディープなモデル構築のスキルを問われる「E資格」の取得に向けて勉強を始めました。
高校や大学時代を思い出してベクトルや微分の数学を復習し、30年ぶりに“脳に汗をかく”ような日々を過ごしていたんです。そうしてAIの理論を頭に叩き込んだタイミングで、偶然のご縁から紹介されたのがOlloでした。
CEOの川合さんと面談し、事業やプロダクトの説明を受けたとき、直感的に胸が高鳴りましたね。「AIを事業の中核に置いた『プロダクト型』のビジネスであり、なによりグローバルで戦えるポテンシャルを持っている」と感じたからです。
── 「AI×プロダクト型×グローバル」という条件が揃っていたのですね。
そうなんです。世の中には「AIを活用した受託開発」を行う企業も多く存在します。それらも素晴らしいビジネスですが、受託型は労働集約的になりやすく、爆発的なスケールが難しい側面がある。一方、私がかつて率いた弥生のように、質の高い「プロダクト」を磨き込み、市場へ広く届けていくモデルにはビジネスの醍醐味が詰まっています。
さらにOlloが挑んでいるのは、日本の強みである「製造業・モノづくりの現場」における作業分析・改善提案という領域です。
近年、日本の製造業はグローバル市場での厳しい競争に晒されています。ですが、敵の土俵に合わせて自らの強みを捨て去るのではなく、これまで培ってきた「現場の改善力・高品質なものづくり」をテクノロジーで補強し、磨き上げることこそが王道のはず。
Olloの画像認識AI技術は、製造現場の“泥臭い”課題に寄り添い、真の価値を提供できる強さを持っています。私が参画した当時はまだ導入社数も少なかったのですが、今では世界40カ国・10,000拠点以上と確実に顧客の輪が広がっている。これは思い込みではなく、市場から「本当に必要とされている」何よりの証拠ですよ。
まだ登山で言えば「2合目」。世界中の工場で当たり前に使われる未来へ
── プロの目から見て、現在のOlloは企業としてどのくらいのフェーズ(成長段階)にあると評価されていますか?
登山に例えるなら、「2合目、富士山で言えばまだ登山口にも辿り着いていない段階」ですが、見据えている山頂は極めて高い。最終的なゴールは、「世界中の製造現場で、Olloのシステムが当たり前のように使われている未来」です。日本発のベンチャーで、これほど本気でグローバル市場を獲りに行けるプロダクトを持つ会社は決して多くはありません。だからこそ、ここからの成長スピードとダイナミズムは、他では味わえない面白いフェーズに入っていきます。
── その中で、岡本さんは「会長」としてどのような役割を担われているのでしょうか?冒頭で「なんでもやる」とおっしゃっていましたが。
スタートアップを成功させる最大の原動力は、なによりも「この事業を絶対に成功させる」という創業者の強烈な情熱です。365日24時間、その事業のことだけを考え続けられる熱量を持ったCEOが会社を引っ張るべきであって、経験豊富な大人がトップに座れば良いというものではありません。
だからこそ、私は「足りないものを埋める係」に徹することにしました。
スタートアップの初期は、とにかく「ないもの」ばかりです。営業のフロントに立つこともあれば、法務やコンプライアンスの整備、投資家とのタフな資金調達交渉など、範囲は多岐にわたります。
最近では優秀なメンバーが増え、私自身が実務で動く場面も減ってきました。本来、会長というのは「あれ、あの人今何してるんだっけ?」と言われるくらいがちょうど良いんです。川合さんの良き相談役として直言を投げかけ、経営陣が本業に集中できる環境を作ること。それが今の私のミッションですね。
「大学発」からの脱却。今、経験豊富な人材が必要な理由
── 今後、Olloがさらに高い山を登っていく上で、組織としてどのような「伸びしろ」や課題があるとお考えですか?
これまでのOlloは、若くて優秀で、エネルギーに満ちあふれたメンバーががむしゃらに走ることで成長してきました。
ですが、組織が拡大し、多彩なバックグラウンドを持つ仲間が増えていく中で、少しずつ働き方や組織の枠組みも成熟し、変化を遂げています。ここから3合目、5合目、8合目へと一気に駆け上がっていくために決定的に必要なもの。それこそが、他社で修羅場を潜り抜けてきた「経験豊富な中途人材」の知見です。
── 経験豊富なベテラン層が加わることで何が起きるのでしょうか。
質の高い成功体験やビジネスの型を持ったプロフェッショナルが混ざり合うことで、組織の成熟が一気に進みます。当然、そこには一時的な摩擦(フリクション)が生まれるかもしれません。ですが、異なる価値観を受け入れ、同質性から脱却することこそが、組織を一段上の「ソリッドな企業」へと進化させるんです。
── ベテラン層の方ほど「スタートアップに入って、自分の経験が本当に通用するのか」「浮いてしまわないか」という不安を抱きがちです。
そこは安心してください、と強く言いたいですね。Olloのメンバーは、驚くほど素直で「聞く耳」を持っています。
「こういうプロセスのほうが効率的だよ」「その進め方はリスクがあるよ」と筋の通った助言をすれば、「なるほど、確かにそうですね!」と素直に耳を傾け、吸収しようとする素地がある。みなさんがこれまで培ってきた成功体験や失敗の教訓、専門的な知見は、今のOlloにとって喉から手が出るほど欲しい「宝物」なんです。
「やんちゃだけど、意外に真面目」。新しい挑戦を楽しみたいみなさんへ
── 最後に、改めてOlloとはどんな会社でしょうか。
一言で表すなら、「やんちゃだけど、意外に真面目な会社」ですね(笑)。
一見すると勢いがあり自由奔放に見えますが、足元を見れば製造現場という領域に愚直に向き合い、堅実にお客様の課題を解決している。挑戦的でありながら、根底には真摯な誠実さがあります。
私たちが今求めるのは、「これまで豊富な経験を積んできたけれど、決して守りに入らず、その経験を武器にして新しい挑戦を楽しめる人」です。
安定したコンフォートゾーンを飛び出し、未知の領域へ一歩踏み出すことには勇気が要ります。ですが、だからこそ得られる圧倒的な手応えと、自分が組織と事業を育て上げているという実感がある。
人生やキャリアにおいて、最終的に大きな成果を生むのは「ちょっとしたご縁と、一歩を踏み出す行動」です。最初から完璧な確信を持って飛び込む必要はありません。「ちょっと面白そうな会社だな」と思ったら、まずは一度、話を聞きに来てみてください。
「やんちゃで真面目」な最高の仲間たちが、みなさんの知見と情熱を待っていますよ。