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手順書作成
製造業の動画マニュアルの作り方|撮影・編集・更新の手順

部品の向きや工具の動かし方は、文章だけでは伝わりにくいことがあります。動画マニュアルは、こうした動作や確認する位置を映像と説明で共有する教材です。ただし、作業全体を撮影するだけでは、何を見て判断するかまでは伝わりません。
本記事では、自動車部品のユニット組立を例に、撮影前の準備から編集、内容確認、変更時の更新までを六つの手順で解説します。初めて見る人が、動作と確認点を理解できる動画を目指しましょう。
- 動画マニュアルが向く内容と、別に残す情報
- 1.対象者と「できる状態」を決める
- 2.撮影する手順と確認点を絵コンテにまとめる
- 3.確認点が隠れない位置で撮影する
- 全体と手元を使い分ける
- 承認された標準作業を撮る
- 音声・表示・周囲の情報を確認する
- 4.一つの手順と判断を一つのまとまりにする
- 5.利用を始める前に、対象者が再現できるか確かめる
- 6.変更時に、動画・基準・教育を一緒に更新する
- よくある質問
- スマートフォンだけで作れますか?
- 視聴履歴があれば新人教育は完了ですか?
- まとめ:撮影・編集・確認・更新を一つの運用にする
- 動画マニュアルの下書き・Excel展開を自動化できる製造業特化の作業分析AI「Ollo Factory」
- ① 手順・説明の初稿を自動生成する
- ② 既存のExcel書式にも展開する
動画マニュアルが向く内容と、別に残す情報
動画で伝える情報 | 文書・基準表で管理する情報 |
|---|---|
部品の向き、差し込みの動き、治具への置き方 | 対象品番、承認済みの図面・仕様・条件表 |
締結の順序、視線を向ける表示 | 承認済み締結条件・検査判定基準 |
通常動作と、止めて報告する場面 | 異常時の責任者、隔離・報告のルール |
動画は動きや確認する位置を伝えるのに向き、文書は数値や判定基準を管理するのに役立ちます。両方を組み合わせ、どの品番・仕様に対応した教材かを明示しましょう。字幕に数値を載せる場合は、参照した条件表の版と、条件変更時に動画を見直す担当者も決めます。
1.対象者と「できる状態」を決める
まず、誰にどの作業を教えるかを決めます。「新人向けの組立動画」では範囲が広いため、「対象部品を照合し、指定の治具へ正しい向きで置ける」まで具体化します。設備操作の事前教育や必要な権限があるなら、視聴前提として示します。
動画を見終えたことと、実作業を一人で担当できることは別です。品質・安全の確認を含む実技の評価方法も先に決めておくと、動画へ何を映すべきか明確になります。
2.撮影する手順と確認点を絵コンテにまとめる
撮影する範囲は、伝えたい内容に合わせて使い分けます。
撮り方 | 画面に入れるもの | 用途 |
|---|---|---|
全体の画角 | 部品箱・治具・完成品置場と作業者の動線 | どこから何を取り、どこへ移すかを伝える |
手元の画角 | 対象部品・識別マーク・治具・手元 | 部品の向きと、セット後に見る箇所を伝える |
字幕は「部品をセットする」だけでなく、動作と確認を分けます。例:「識別マークを写真と同じ向きに合わせて治具へ置く」「指定の確認箇所に浮きがないことを確かめる」。顔を映す必要はありませんが、手や工具で確認位置を隠さないようにします。
絵コンテは、撮影する場面と伝える内容を整理した計画表です。次の表は、承認済みのユニット組立手順をもとに撮影を計画するための記入例です。実際に撮影・検証した動画の記録ではありません。
カット | 映すもの | 見てほしいこと | 説明・字幕の内容 |
|---|---|---|---|
①部品照合 | 現品表示と指定部品 | 似た部品の見分け方 | 対象品番と照合する位置 |
②治具へセット | 手元・部品・治具 | 向きと着座 | 指定位置に置き、浮きがないか確認 |
③締結 | 工具と締結箇所 | 指定順序と完了表示 | 使用条件の参照先、順序、結果確認 |
④検査 | 対象箇所・検査表示 | 合否を判断する位置 | 合否基準の承認済みの条件表を参照 |
⑤異常時 | 操作を止めた後の状態 | 通常の流れへ戻さないこと | 隔離・報告の手順を案内 |
「正しい向き」を映すなら、その向きを識別する特徴も見える必要があります。カメラからは隠れているのに字幕だけで説明する構成は避け、角度を変えるか静止画を加えます。
3.確認点が隠れない位置で撮影する
全体と手元を使い分ける
撮影位置は、伝えたい内容に合わせて選びます。
全体の位置関係:設備・部品・作業者の動きが分かる画角にする
細かな確認点:部品の向きや工具の表示が見えるよう、手元を撮る
撮影位置の確認:一周期を試し撮りし、手や体で重要な箇所が隠れないか見る
カメラや三脚は作業を妨げず、設備の可動範囲に入らない位置へ設置します。
承認された標準作業を撮る
普段の速さで手順を省かず実施してもらいます。撮影のために安全装置を外す、異常を実機で意図的に起こすといった方法は使いません。異常例が必要なら、承認された安全な説明方法や図・停止状態の素材で示します。
音声・表示・周囲の情報を確認する
機械音で説明が聞こえない場合は、後からナレーションや字幕を加えます。工具の表示が反射で読めない、映像がぶれる、部品が暗くて見分けられない、といった点は撮り直し候補です。撮影・共有のルールを守り、不要な個人情報・機密表示は映り込まないようにします。
4.一つの手順と判断を一つのまとまりにする
「セットする」「締結する」などの手順ごとに区切り、その場面で確認することを字幕や矢印で示します。一つの動画の長さを一律に決めるより、必要な動作と判断を理解できるまとまりにすることが大切です。細かく分けた後も、前後の作業とのつながりがわかるか確認しましょう。
字幕は行動・確認点・必要な理由を簡潔に書きます。たとえば「部品を置く」より、「指定の向きで治具へ置き、着座を確認する」とすると、見る場所が明確になります。会社独自の部品名、略称、翻訳語は現場で通じる表現へ揃えます。
生成AIを使って構成や字幕の下書きを作ることもできます。ただし、見えない作業を補完したり、部品名や判定条件を推測したりしていないか、動画・正式な文書と照合します。
5.利用を始める前に、対象者が再現できるか確かめる
確認 | 合格の目安 |
|---|---|
手順 | 承認済み標準と順序・対象条件が一致 |
視認性 | 判断に必要な部品・手元・表示が見える |
字幕 | 実際の動作と一致し、用語・数値の参照元が正しい |
異常時 | 止める・分ける・報告する行動を確認できる |
実技 | 指導・評価のルールに沿って再現を確認できる |
版管理 | 対象工程、版、承認者、改訂日がわかる |
見ている途中で止めた箇所や、作業者が質問した箇所を改善材料にします。「見ればわかるはず」と判断せず、どの情報が足りなかったか確認してください。
6.変更時に、動画・基準・教育を一緒に更新する
品番、治具、配置、判定基準が変わったときに、誰が動画を確認するか決めます。変更箇所だけでなく、前後の手順や確認点への影響も見ます。新しい版の承認、旧版の取り下げ、対象者への周知、必要な再教育まで記録しましょう。
更新工数を把握するなら、撮影時間だけでなく、編集・字幕修正・確認・差し替えまで測ります。動画の本数を増やすことより、変更後も正しく使える状態を保つことが重要です。
よくある質問
スマートフォンだけで作れますか?
撮影は可能ですが、重要な表示や動きが読めるかが判断基準です。固定具、照明、字幕などを必要に応じて使い、現場の端末で見やすさを確かめてください。
視聴履歴があれば新人教育は完了ですか?
履歴は受講を確認する情報です。独り立ちは、必要な安全・品質の行動と異常時の対応を実技で確認し、社内の承認者が判断します。
写真と説明を組み合わせて手順書へまとめる場合は、作業手順書の作り方とExcelテンプレートで、各欄の記入方法と確認の進め方をご覧いただけます。
まとめ:撮影・編集・確認・更新を一つの運用にする
対象者と習得してほしい作業を決め、動作・確認点が見える画角で撮る
一つの手順ごとに映像と説明をまとめ、数値や判断基準を補う
初めて見る人に伝わるか確認し、作業の変更時は動画と教育内容も更新する
撮影後の見返しや手順分割、説明文の作成はAIで自動化できます。紙やExcelの手順書も併用する現場では、同じ分析結果を既存の帳票へ出力すると、教材を別々に作る負担を減らせます。
動画マニュアルの下書き・Excel展開を自動化できる製造業特化の作業分析AI「Ollo Factory」
① 手順・説明の初稿を自動生成する
作業動画から手順を分析し、説明付きのマニュアルを生成します。撮影で押さえた動作と確認点を照合し、必要な基準・異常時の対応を修正して仕上げます。

Ollo Factoryの公式デモ画面。本文のユニット組立例とは別の作業です。
② 既存のExcel書式にも展開する
社内のExcelテンプレートを読み込み、その様式で分析結果の手順をダウンロードできます。動画と紙・Excelを併用する現場でも、別々に転記する負担を減らせます。

Ollo Factoryの公式デモ画面。本文のユニット組立例とは別の作業です。
映像にない判定値や危険箇所は、社内の承認済み基準で補います。生成された手順を担当者が確認・修正してから、教育用の教材として使います。
関連機能:動画マニュアル・手順書作成
この記事の執筆者
株式会社Ollo
事業開発部リーダー マーケティング担当 Yoshida
製造業特化型の作業分析AI「Ollo Factory」を開発・提供する株式会社Ollo(東京大学 松尾研究室発のAIスタートアップ)で、事業開発とマーケティングを担当。
大学時代は工学部で設計開発を学び、新卒で大手自動車メーカーに入社。新型EVの開発グループで、設計から工場での生産まで幅広くプロジェクトに携わり、研修の一環として、実際に自動車製造工場でのライン作業も経験。その後、製造業領域のスタートアップで営業・マーケティングに従事。
現在は、製造現場でのAI活用を促進し、よりワクワクする働き方を実現できるよう、「Ollo Factory」の販売・マーケティングに取り組んでいる。
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