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手順書作成
標準作業票の書き方|レイアウト・作業順序・標準手持ちを図解

手順書に操作を書いていても、部品を置く場所や移動順序が人によって違うと、同じ作業を繰り返しにくくなります。標準作業票は、設備・部品の配置図に作業順序や動線、必要な仕掛品の位置と数を示す帳票です。
本記事では、自動車部品のユニット組立を例に、標準作業票を書く六つの手順と記入見本を紹介します。一人の作業者が担当する一周期を決め、図にした動きが現場でも成立するか確かめましょう。
- 標準作業票に書くこと・他の帳票で確認すること
- 標準作業票を書く六つの手順
- 1.作業の始点と終点を決める
- 2.設備と物の位置を描く
- 3.作業番号を付ける
- 4.移動線を描く
- 5.標準手持ちの場所と数を示す
- 6.品質・安全の確認点を示す
- ユニット組立の記入見本
- 書いた後は、現場で一周期を再現する
- よくある失敗と直し方
- 図が整っているのに現場で使われない
- 標準手持ちが現場在庫の追認になっている
- 変更後に歩行時間が古いまま
- まとめ:配置・順序・標準手持ちを一枚で共有する
- 標準作業票づくりの作業分析・手順整理を自動化できる製造業特化の作業分析AI「Ollo Factory」
- ① 動画で移動・作業区間を確認する
- ② 作業順序と確認点を初稿へまとめる
標準作業票に書くこと・他の帳票で確認すること
標準作業票に示す情報 | 読み手が確認する内容 |
|---|---|
対象工程・品番・人員・版 | どの条件で使う標準か |
設備・治具・部品・完成品の位置 | どこで作業し、何を取りに行くか |
作業番号・順序・移動線 | 開始から終了、次サイクルへの戻り |
標準手持ちの位置と数量 | 繰り返しを成立させるための仕掛かり |
品質・安全の確認位置と参照先 | どの場面で何を確認するか |
タクト・サイクルなどの関連条件 | どのペースを前提に設計したか |
標準作業票に詰め込まず、詳しい情報は次の帳票で補います。
人と設備の時間の重なり:標準作業組合せ票
設備・工程の処理能力:工程別能力表
個々の操作や写真付きの説明:作業手順書
役割を分けると、一枚の配置図へ文字を詰め込みすぎずに済みます。
標準作業票を書く六つの手順
1.作業の始点と終点を決める
例では、「作業者が部品箱の前から作業を始め、完成品を置き、同じ開始位置へ戻るまで」を一周期にします。戻りの移動を描かないと、次サイクルを始めるための歩行が抜けることがあります。
品番、部品箱の高さ、設備条件、人員を記録します。品種によって動きが変わるなら、どこまで共通の票にできるか判断し、違う作業を無理に一枚へまとめません。
2.設備と物の位置を描く
寸法を厳密に再現する図面と区別しつつ、実際の位置関係がわかるように描きます。治具、締結工具、検査表示、部品箱、完成品置き場を記し、通路や接近禁止範囲も必要に応じて示します。外観が似た部品を隣に置く場合は、取り違えの防止方法も確認します。
3.作業番号を付ける
「①部品照合→②治具へセット→③締結→④検査結果の確認→⑤完成品置き場→①への戻り」と、作業が発生する場所へ番号を付けます。時間分析や手順書でも同じ番号を使うと、図から該当する詳細へ移れます。
4.移動線を描く
作業番号を順につなぎ、往復や動線の交差を確認します。最後の作業から開始位置へ戻る動きも忘れずに描きましょう。工具探索や臨時の部品補給は現状の観察記録に残し、改善後に採用する標準の動線とは区別します。
5.標準手持ちの場所と数を示す
標準手持ちは、決めた順序で作業を繰り返すために必要な最小限の仕掛品です。単位は個数で示し、どの位置に必要かも記入します。設備の中で加工・検査中のものも含めて検討します。例では、自動検査中のユニットに加え、次の部品を先に準備するための仕掛品が必要かを、人と設備の時間関係から確認します。
必要な仕掛品の位置と数量を「自動検査中1個」などと示します。単に次工程を待って滞留しているものや、供給箱の在庫全部を標準手持ちに含めないようにします。数量の根拠は、組合せ票と現場での一周期の確認から説明できるようにしましょう。
6.品質・安全の確認点を示す
部品の向き、着座、締結完了表示、検査の合否など、どの場所で確認するかを示します。図中は短い言葉にし、詳細は承認済み条件表・手順へつなぎます。安全の記号は自社で定義されたものを使い、意味を凡例に書きます。
ユニット組立の記入見本

①から順に矢印をたどり、最後の作業から次の開始位置へ戻る動きまで確認します。品質確認と安全上の注意は、該当する作業番号に対応させます。
図は記入方法を示す説明用の見本です。現場で使う際は、実際の寸法、設備の可動範囲、作業者の立ち位置、仕掛品の数量を確認してください。移動距離だけで配置を決めず、届きやすさ、視認性、通路や安全な作業空間も確保します。
作業番号 | 場所 | 確認するポイント | 詳細の参照先の例 |
|---|---|---|---|
① | 部品箱 | 対象品番と現品表示が一致 | 部品照合の手順 |
② | 治具 | 指定の向き・着座状態 | セット方法の写真付き手順 |
③ | 締結機 | 指定条件と完了表示 | 締結条件表の承認版 |
④ | 自動検査機 | 合否と異常時の処置 | 検査標準・隔離手順 |
⑤ | 完成品置き場 | 合格品を指定位置へ置く | 搬送・識別のルール |
書いた後は、現場で一周期を再現する
作業者と一緒に図を見ながら、一周期の動きを確認します。図にない歩行、表示を見るための体のひねり、次の開始位置への戻りがあれば、原因を調べます。動線を短くしても、手が届きにくくなったり、検査表示が見えなくなったりすれば改善とはいえません。
変更案を試すときは、対象品番、条件、確認点を揃え、時間だけでなく品質・作業負荷も確認します。成立を確認した後に票を承認・改訂し、関連する組合せ票や手順書も更新します。
よくある失敗と直し方
図が整っているのに現場で使われない
必要な番号や凡例が小さすぎる、現場の向きと図の向きが違う、最新版がわからない、といった原因を確認します。実際に掲示する大きさ、端末で開く状態で読みやすさを確かめます。
標準手持ちが現場在庫の追認になっている
大量の仕掛かりがある理由を調べずに、その数量を標準として書くと、工程間の滞留が見えなくなります。「工程を回すために必要な数」と「供給・停止への対策で持つ数」を分けて検討します。
変更後に歩行時間が古いまま
配置図を直すだけでは、時間分析の根拠が更新されません。組合せ票の移動や確認の区間も再測定し、条件と版を揃えてください。
まとめ:配置・順序・標準手持ちを一枚で共有する
設備と部品の配置図に、開始位置・作業順序・移動を示す
標準手持ちと、安全・品質の確認点を対応する場所へ記入する
現場で一周期を再現し、他の帳票や実際の作業との食い違いを直す
配置図に書き込む前の作業観察にも時間がかかります。AIを使えば、動画の要素作業・時間の整理や、動作を説明する手順書の初稿作成を自動化できます。
標準作業票づくりの作業分析・手順整理を自動化できる製造業特化の作業分析AI「Ollo Factory」
① 動画で移動・作業区間を確認する
作業動画の分析から要素作業と時間を整理できます。図上の番号に対応する場面を確認し、歩行や戻り、待ちを含めて配置案を検討します。

Ollo Factoryの公式デモ画面。本文のユニット組立例とは別の作業です。
② 作業順序と確認点を初稿へまとめる
動画から手順と説明を生成し、必要な確認点を追記・修正できます。配置図だけでは伝わりにくいセットや取り出しの動作を教材へ残せます。

Ollo Factoryの公式デモ画面。本文のユニット組立例とは別の作業です。
現場の寸法を測った配置図や、安全範囲・標準手持ちの承認を自動で確定する機能ではありません。実際の設備配置と照合します。
関連機能:稼働分析 / 動画マニュアル・手順書作成
この記事の執筆者
株式会社Ollo
事業開発部リーダー マーケティング担当 Yoshida
製造業特化型の作業分析AI「Ollo Factory」を開発・提供する株式会社Ollo(東京大学 松尾研究室発のAIスタートアップ)で、事業開発とマーケティングを担当。
大学時代は工学部で設計開発を学び、新卒で大手自動車メーカーに入社。新型EVの開発グループで、設計から工場での生産まで幅広くプロジェクトに携わり、研修の一環として、実際に自動車製造工場でのライン作業も経験。その後、製造業領域のスタートアップで営業・マーケティングに従事。
現在は、製造現場でのAI活用を促進し、よりワクワクする働き方を実現できるよう、「Ollo Factory」の販売・マーケティングに取り組んでいる。
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