Ollo FactoryがGEヘルスケア・ジャパン株式会社で導入
ウェアラブルカメラ等で撮影した作業動画をAIが解析し、世界トップクラスの工場の改善活動がさらに進化
当社が開発・提供する画像認識ソフトウェアOllo Factoryが、日本の医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー、GEヘルスケア・ジャパン株式会社(以下GEヘルスケア)の日野工場において導入され、高い成果が得られました。
GEヘルスケアでの取り組み
GEヘルスケアの日野工場は、世界経済フォーラム(WEF)より第4次産業革命をリードする世界で最も先進的な工場として日本で初めて「Lighthouse(灯台)」に認定されている世界でもトップクラスの工場です(*1)。
GEヘルスケアでは、日野工場での改善活動をさらに進めるために、複数工程において、Ollo Factoryを導入し、これまでは膨大な工数を要していた作業分析を工数削減できるか、また、生産性向上や品質向上、作業者教育に役立てるかを検証しました。
実施した取組みは下記の通りです。
- 固定カメラで撮影した作業をOllo Factoryで分析
- ウェラブルカメラ(主観カメラ)や手持ちカメラで撮影した作業をOllo Factoryで分析
- 改善担当者以外でもOllo Factoryを簡単に使用できるかを検証
*1: https://www.gehealthcare.co.jp/event-and-news/news-and-initiatives/2020/press01
導入効果
作業の生産性向上
ベテラン作業者と新人作業者の作業動画を撮影し、双方をOllo Factoryで分析しました。ムダの発見・改善を繰り返し実施していくことで、ある工程ではサイクルタイムを34.2分から26.0分に短縮し、約24%の生産性向上につながりました。その結果、2名で実施していた組立作業を1名で実施できるようになりました。
改善の生産性向上
Ollo Factoryによる作業分析と改善活動は、入社1年目の社員でも実施することができ、ベテランの改善担当者ではなくてもOllo Factory活用できることが確認されました。今まで数日かけていた分析時間を半日以内に短縮することができ、改善活動に要する工数の削減を実現することができました。
品質向上
ウェアラブルカメラで撮影した動画を利用し、作業者目線での分析が可能になりました。品質が不安定な工程は、作業時間のバラツキが多いことがわかっていました。Ollo Factoryでは、このバラツキが可視化され、すぐに動画で比較が出来るので、早期の原因究明と対策を行うことが可能になりました。作業者の目線、手の向き・角度、作業順序など様々なことが簡単に動画で確認・比較出来るため、現場の納得度も高い状態で取組みを進めることができ、品質の安定した工程作りを実現しました。
作業者教育
新人作業者とベテラン作業者の比較をOllo Factoryで実施しました。新人作業者は作業が自己流になりやすい傾向がありました。新人とベテランの作業と比較をすることで、どのような作業に違いがあるのか、ベテランとの作業時間の差が大きい要素作業は何かを可視化したことで、指導者が教えるべきポイントが明確になり、自己流による作業効率の低下や品質低下につながる作業を防ぐことが容易になりました。何より動画で比較して可視化されるので、分かりやすい指導に繋がったと評価されました。
今後の展望
現在GEヘルスケアでは、日野工場における導入を経て海外工場への導入の検討が進んでいます。
GEヘルスケア御担当者 三井様のコメント
今までは分析、問題点把握だけで多くの時間を費やしており、改善実施前に疲れてしまい改善の進みが遅くなっていました。Ollo Factoryは分析・問題点の把握にかかる時間が大きく減るので、改善活動に時間を使えるようになりました。どんどん改善活動も進んでいくので、日々の改善活動がとても楽しくなりました。
GEヘルスケア日野工場長 大工様のコメント
Ollo Factoryの導入により、作業分析が効率化され、カイゼン活動がよりスムーズに進むようになりました。これまで膨大な時間を要していた分析が短時間で完了するため、現場の社員が迅速に改善点を把握し、実行に移せる環境が整いました。経験の有無を問わず活用できる点は大きな利点です。これからも現場の力を最大限に引き出し、日々のカイゼン活動を継続することで、さらなる生産性と品質の向上を実現していきたいと考えています。